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June 29, 2004

バカンスは、空き巣シーズン(河野兵部)

chalet.jpg
先週土曜に向う隣の家に泥棒が入ったそうだ。
週末だったので、家族は出かけていて留守だったのだがお昼時だったので、ドミニカ人のお手伝いがいて、泥棒も意外だったらしく彼女の手持ちの小銭だけ奪って縛り上げ、浴室に閉じ込め逃亡したのだそうだ。

この団地の出入り口には、ガードマンが24時間警備して居て、出入りする車はチェックしているし、車ではそこしか通り抜けできないから、比較的安全なところなのだが、団地の境は金網の柵だけで徒歩でくれば乗り越えが可能だ。また一軒一軒は高い塀で囲まれているので、中の様子は外からは全く分からないから空き巣には仕事がしやすいかもしれない。
数年前までは、団地の外側は狩猟場で外界とほぼ遮断されていたが、近年の建築ラッシュで土地造成されて、一般住宅が建ち始めたから、近くまで道路ができて、逃亡用の車を待たせて置けるようになってしまった。でも、幸い凶悪事件は、おきてはいない。

バカンスの時期は、近所一帯が留守だから空き巣にとって絶好の稼ぎ時のようで、毎年警察から防犯マニュアルが配布される。覗いてみると、
「バカンスに出かけることを公衆の前で話さない」
「近所の人には、伝えておく」
「郵便箱が、あふれないように知人に時々取り出すように頼んでおく」
「ブラインドを閉めっぱなしにしない」
「夜には自動的に電灯やラジオが点く装置をつける」

等々、気休め程度のマニュアルだ。

新聞によると、元使用人や工事に来た職人が手引きする場合が多いようだが、その割には、スペイン人は、家の掃除や子守りのために平気で家の鍵を他人に渡す。日本人でも長く住んでいると知らぬ間に同じ感覚になってくるが、観光ガイドをしている友人の日本人女性は、いつも旅がちなので、家の掃除は警察官の娘ということで信用していたお手伝いさんに任せていた。ところが長期の留守中に恋人を引っ張り込み、愛の巣にしただけでなく、その恋人が曲者で、友人のクレジット・カードから100万ペセタ程(当時70万円位)を使い込んたそうだ。「必ず返すから勘弁してくれ」と泣いて頼まれ告訴せず、支払った銀行にも文句を言ったが、結局1銭も戻らなかったらしい。

話が脱線したが、ヨーロッパは陸続きだから、侵略しては侵略されの繰り返しで、土地や物品を持っていても、いつ追い出され他人の手に渡るか分からないから、そういうものに余り執着がないとの話を聞いたことがある。また一方宝石や貴金属を持つ人が多いのは、いざと言う時に”財産を身に付けて運べる”かららしい。戦争の危険が少なくなった現代も、物品は盗難の被害にあっても保険でカバーできるし、またその為に保険制度が発達しあるのだから、そんなことで折角の自分の余暇を犠牲にするのを嫌い、泥棒の被害もバカンスの”経費の一部”位の感覚なのかもしれない。

水は高いところから低いところに流れるし、もてるものからもてないものにうつるのも自然の流れかもしれないから、金持ちは結構文化や救済事業へ気前良く振舞うし、そのくらいの出費は当然と思っているに違いない。実際金持ちの義務は浪費することで、金持ちが貯め込んだら、我々貧乏人には、決して回ってこないだろう。

この時期の泥棒は白昼堂々と仕事する場合が多く、トラックで家財道具丸ごと持っていくのだそうで、余り堂々としているので引越しと間違えて、近所の人が手伝った笑い話のような例まであるらしい。

June 25, 2004

とことこドライブ・巨大黒牛が出現!(河野兵部)

carretera3.jpgスペインの旅で、楽しいのは、なんと言っても車でとことこ走るドライブだろう。
最近は、道路が実によくなったからなおさらだ。
日本だったら、当然有料になりそうなりっぱな高速道路を延々と数百キロ走っても殆どがタダである。有料道路は、バルセローナ周辺や地中海沿いの観光道路に集中しているから、お金を払いたくなければ、その近辺に行かなければよい。

ドライバーに欠かせられないガソリンスタンドは、つい10数年前までは、国営だったために数も少なく、文字通り”油を売る”だけだったので、全国同一料金で売店もなく、洗車もパンク修理もできなかったのだが、民営化されてから、少しずつ料金競争が始まり、また多くが、ドライブインをかねて、簡易スーパーのような売店、レストラン・バーを持つようになってきている。
ただ、故障は相変わらず修理工場でしか出来ないから、24時間営業のレッカー車で移動してもらうしかない。土日祭日は休みだから、そのような時に故障した場合は安全なところまで移動してもらい、休み明けまで待つ運命になる。
洗車は、有料の洗車トンネルやシャワーだけで、日本のように自分でスタンドの水道を使って洗車するものは居ない。そんなことをしたら、スタンドのおじさんにすごい剣幕で怒鳴られるだろうから、精々窓をきれいにする程度だ。大体毎日きれいに車を洗う人など、この国では少ないことだろう。

高速道路は、目的地にひたすらに走るのには便利だが、反面、昔の田舎道をドライブして居た時のように名も知れないような小さな村で、思いがけない楽しいハップンングに出会うと言う可能性は少なくなってしまった。
高速道路と言うのは、どこでも殺風景な景色になり、点と点のつながりで途中どんな素敵な体験が潜んで待っていても素通りしがちだ。
これは人生も同じことが言えるかもしれない。やはり、時には高速道路を降りて、わき道に入ってみるべきだろう。スペインは特にそんな旅が向いている。
車の利点は、なんと言っても出発時間にとらわれずに、気侭に行動できることで不要な待ち時間もなく、また荷物の心配がないので行動半径が大きくひろがることだろう。

toro.jpg
ドライブしていて、誰もが驚くのが道路わきに巨大な真っ黒な牛を見つけたときだろう。近づいてみると、それが牛の形を切り抜いた看板であるのに気付くのだが、実にユーモラスな看板で闘牛の国のムードをあらわすには最適なものだ。
toro_up.jpg←これは、あるシェリー酒の醸造元の看板で、元々は牛のお腹の部分にちゃんと酒屋の名前と宣伝文句が入っていたのだが、86年のECC(現EU)加盟により他諸国並みの水準に追いつこうと、道路交通法が改正され、運転者の注意力の集中を妨げるような道路脇の看板はすべて撤去されることになった。

この看板も当然撤去の運命にあったのだが、そこは粋なスペインのことなので、お役所も紋切り型に新法令を適用するようなことはせず「文字を消せば問題ないのでは」という意見が通って、文字だけ塗りつぶして、看板はそのまま残ったわけだ。
現在、テレビのコマーシャルでこの看板をアピールしているので、スペインの人たちは当然これが何の看板であるのかわかっているので、広告媒体としても充分効果はあるのだろう。

June 21, 2004

幸せをはこぶコウノトリ!(河野兵部)

先日から、ガレージの奥の壁にツバメが巣を作り始めた。
手を伸ばせば届くくらいの高さなのだが、我々を恐れる風もなくせっせと夫婦で交代で土を運んでいる。
誰に教えられるまでもなく巧みに作るのは、本当に不思議だ。

お陰で、ガレージの扉をを閉められなくなってしまったが、「朝顔につるべとられてもらい水」の心境で出来上がるのを楽しみにして、邪魔しないように、日中はガレージに近づかないようにしてきた。
ところが、なぜか昨日から突然工事を中止してパッタリこなくなった。どちらかに何か事故でも遭ったのだろうか、それとも、ツバメの世界も女性開放が進んで、奥さんに”若いツバメ”でもできて、家庭放棄したのだろうか、などと馬鹿なことを呟きながらも残念で堪らない。

ciguena9.jpgツバメは日本でも珍しくないだろうが、こちらではごく普通に居て、日本では見かけない鳥と言えばコウノトリだろう。
逆にカラスは、北部で時々見かける程度で、何故か殆ど見ることがない。湿気のある地帯を好むのかもしれない。
コウノトリはマドリードから北部のカステリア・レオン州や西部のエストレマドラ州に出かけると教会の高い塔の上に軒並み巣を作っているのをしばしば見かける。渡り鳥の一種らしく冬の寒い時期には、ジブラルタル海峡を渡り、アフリカで過ごし、春になるとスペインにきて巣を作り雛をかえすのだそうで、この事から、スペインでは、昔から赤ちゃんを連れてくる幸せの鳥ということで大切にされている。旅行者にとっても、ほのぼのとした気分になって、ついカメラを向けたくなる。

しかし、良いことばかりではなく、困ったこともある。
というのも、あの巣は無数の枝によって、強い風にも吹き飛ばされないように巧みに組み合わされて居るのだが、重さが何と100〜200kgもあるのだそうで、古い教会の塔などでは、しばしばその重さに耐え切れず、崩れ落ちることがあるからだ。
ciguena3.gif
たまたま下に誰かが居たりしたら、大きな事故になってしまうので、最近はアブナそうなところは、下を通行止めにしたり、塔自体を補強したりしているが、時には下敷きになり死者まで出ることがある。

まあ、”赤ちゃんを連れてくる”と同時に、”天国にもつれていってくれる”なら、”ゆりかごから墓場まで”で、天上と地上の橋渡しをする、やはり幸せの鳥なのかもしれない。

June 16, 2004

待望のバカンスがやってきた。(河野兵部)

vacance3.jpg
いよいよ夏のバカンスのシーズンがやってきた。
小中学校は、今週末から夏休みに入り、9月中旬まで続くので、多くの親は「また長い苦悩の3ヶ月が始まる」とぼやくが、自分たちは、自分たちで毎年来るバカンスを心待ちにしていて、5月頃になるともう、今年はどこに行くとかの話題で夢中だ。

日本人から見たら、完全週5日制で、更に毎月のように連休があり、残業もないのだから、「一体いつ働くのか、、。バカンスなどなくても良いのでは?」な〜んて勝手に思ったりするが、そんなことはお構いなしで、仕事中でも大声で同僚とおしゃべりしている。長い行列を作って待っている客の前でもしばしばで、常連が多いところでは客までもその会話に混ざることも良くあるし仕事の手が全く止まってしまうこともあるので、急いでいるときは本当にいらいらさせられる。
かと言ってうっかり抗議などしようものなら、一緒に待っているはずの客からさえ白い目で見られ、自分の番になると「お前はバカンスを取らないのか」なんて嫌味を言われ、意地悪されてますます仕事の手が遅くなる。

スペインの労働者は、毎年30日間の連続した夏休みを取ることが権利として認められており、この期間をどのように過ごすかは、人生の12分の1をいかに有効に過ごすかと言うことだし、経済的にも大きな影響を与える。
8月など、住宅地区では、開いている店を探し出すのに苦労するほどだが、それでも最近は、都会を中心に小家族がすすみ、サラリーマン層が増えたせいか、日本の有給休暇のように分割して使う人がいて、取る時期も8月のように、どこも混んでいて高い時期を避け、他の時期に替えることも多くなって来ているらしい。
それでも少なくとも2週間は夏にとり、残りを他の飛び石連休の橋渡しにつかったり、もうひとつの重要なバカンス期クリスマスに回しているようだ。

ninos1.jpg毎年来るバカンスを家族ずれでホテル暮らしでは、結構な出費になるから、別荘を持っている人が多い。と言うのも若干の頭金と固定収入があれば、別荘を持つことは、難しくはないし、将来への投資効果も期待できるので、「別荘は贅沢」との感覚は一般にはなく税制の上でも優遇されている。勿論別荘とは言っても、大部分は一戸建てではなく、アパート形式のもので、共同のプール、テニスコート等の設備がついている。

やはり山好きと海好きがいるが、圧倒的に海岸が人気があるようで、マドリードから400kmと一番近い海であるバレンシアの海岸線がマドリード子の海水浴場と成っている。
バカンスの始まりと終わりの時には、バレンシアに繋がる国道3号線は、大渋滞が起こる。

June 14, 2004

日本は本当に経済大国?スペイン人の働く意識(河野兵部)

jacaranda1.jpg灼熱のセビリアからかえってきた。
街頭の温度計は既に41度を指し、日が落ちた夜の10時でもまだ38度をさしていた。兎に角”熱かった”(暑いを通り越している)それに比べるとマドリードの夏は過ごしやすい。日が落ちると急激に気温が下がるので、寝苦しい夜は少ないし、クーラーも殆ど不要だ。”昨年は、5月に郊外の山に雪が降ったと思ったら、その後は雨が殆ど
降らず、マドリードでも、連日40度を越していたが、セビリアは50度を越す日が何日かあったそうだ。これも環境破壊による気象変化の一部なのだろうか。

ところで、この連載も気が付いたら、もうはじめてから14回目になっている。どんなことを書いてきたのだろうと読み返してみたら、全然ブログにっていないことに、今になって気付いた(笑)余り個人的なことを書くのはよくないかなとの意識が働いたせいだが、やはり、プライベートなことを書かなければブログではないので、自慢話や自己宣伝に成らないように嫌味のない程度書いていくことにする。それで今回の出だしはこのようになった。

今もあるのかどうかしらないが子供のころの夏休みの苦痛の種は、「夏休みの友」つまり、休み中の毎日の日記を書くことだったから、この連載を書いている今の自分が可笑しい。先生から「毎日書きなさい」と言われても何を書いて良いかわからないから、「きょうはなんじにおきた」」「はれだった」「〜ちゃんとあそんだ」「なんじにねた」の繰り返しになったが、それも、最初の1週間位だけでいつも夏休みが終わるころになってあわてて、「何日の天気はどうだった?」な〜んて親や兄弟に聞き回ることになった。こんなことを想いだしている間に、今の”先生”である編集長の「締め切り、締め切り」の声が聞こえてきそうだ(^^)

bougenbria.jpg思えば、「親は残業、子供は宿題」と日本は何と”残業”の多い国であろうか。スペイン人は、仕事は生活の為、お金のためと割り切り、権利意識が強いから、1秒たりとも余分に働こうとはしないし、使う方も、50%増しの超過料金を払いたくないから、残業などさせない。
店の開店時間は、仕事の準備を始める時間であって、客の世話を始める時間ではないし、閉店時間は、従業員が職場を離れる時間であって、客をその時間までアテンドするわけではない。

プラド美術館の閉館時間は夕方7時だが、30分前の6時半には入場をストップするし、15分前の6時45分には、退場を促さられる。
美術館のような公共施設だけでなく、一般オフィース、商店も全く同じだ。これは、下っ端のサラリーマンよりも、オフィースの責任を背負い鍵を預かる上役ほど余計その傾向が強い。部下が帰らない限り自分が帰れないからだ。特に金曜の午後などは、どこのオフィースも終業30分前には、帰る準備をはじめて、時間がきたら見事に誰もいなくなる。

1日は24時間しかないし、その日できる仕事の量は限られているのだから、その日の仕事が残るのは能力がないとみなされるし、残ったらそれは翌日の仕事なのだ。夏のバカンス前に残った仕事は、バカンスが明けまでは、テーブルの上に山済みにされたままになる。分業社会だから、休み中に残った同僚が代りにすると言うことは、それが必要とされると特殊業種以外はない。仕事が残ろうと終わろうと世の中はそんなに劇的に変わることなどなく同じように毎日は繰り返されていき、人は年取っていく。
年取って、体が不自由に成ってから、お金と時間があってもなんにもならない。人生は、生まれてから死ぬまでの、一時一時のつながりの線であって結果は死でしかない。子供のときは子供の人生、今はいまの人生で、人生と言うのは、その時々なのだ。

jacaranda.jpg日本で、そんなことをしたら、すぐその企業はつぶれてしまうだろう。でも、社会全体がそのように動いていれば、客が不満に思うことはない。その時の客も自分が職場に行けば同じことをするからだ。日本とスペインは現在7時間の時差があるが、日本の某旅行社に日本時間の明け方3時にFaxを送ったところ、即返事が来て驚いたことがある。翌朝出勤一番で読んでもらおうと送ったのだが、、、。一体いつ家に帰るのだろう?世界2番目の経済大国の国民一人一人は本当に豊かなのだろうか?

今回のテーマにふさわしい画像はなさそうなので、丁度満開だったブーゲンブリアの紫とハカラダ(マホガ二ー)の鮮やかな青紫の花をセビリア土産として贈ろう!

June 09, 2004

駆け引き大家(河野兵部)

piso3.jpg■高い「持ち家率」
マドリードには、賃貸しアパート(ピソ)が少なく高いので、家を持たないものや外からきたものには住みにくい町だろう。賃貸しのところも、個人のピソで、子供が大きくなって部屋が空いたからと言うような理由で貸しているところが殆どでまたそのため大部分が家具付きに成っている。ベットや箪笥は勿論、台所には、冷蔵庫、鍋類食器類がそろっているので、個人的には食品調味料だけ買ってくれば引越しの手間も殆どかからず、その日から半永住が可能になるのは便利だ。

賃貸しの少ない理由は、掛け捨ての家賃を払うよりも、定収入があるならローンで買ってしまうほうが良いほど、家賃が高いことと、まだ入手可能な価格と言うこともあるのだろう。スペインは、ヨーロッパ諸国の中で最も持ち家率が高い。

piso4.jpgまた貸す側にとっては家賃滞納、不払い者が多いことで空室があっても貸したがらないことがある。実際、身近に2人の友人(どちらも日本人)が、スペイン人に貸したは良いが、数年間滞納して、結局弁護士を立て、告訴して2年目に、警察官立会いで退去させたが、弁護士費用や引越し費用すべて、自前だったそうだ。これでは、誰も貸したがらないのは当然だ。

■大家は親同然、店子は子も同然・・・ではない!
私自身の借家時代の経験だが、日本的に家賃をきちんと払い時々お土産をもっていく借り手と言うことで大家も「何でも足りないものがあったら遠慮なく言ってくれ」なんて殆ど家族同然の付き合いをしていたつもりが更新の時になったら、「物価が随分上がったし、修理に金がかかったからから、来月から家賃を倍にする。嫌なら出て行け」と鬼の大家に一変してしまった。確かにまだ相場より安かったし、”波風”を立てたくなかったから、「それなら20%増しくらいならどうか」といったら「25%でどうだ」というのでそれで了解したとたん、また親切な大家に戻った。
piso6.jpg倍に吹っかけられて、25%で済んでほっとしたが、次の更新のときも同じことが起こったので、毎回そんなにアップでは堪らないから、スペイン人の友達に相談したら、「お前は、駆け引きと言うものを知らなすぎる」とあきれられて、入れ知恵してもらい結果的に「前回大幅値上げだったから、今回は据え置き」と言うことになった。25%は払いすぎだったようだ。

交渉時には、本当に憎たらしい程だが、済んでしまうとそんなことはなかったかのように振舞うのはまったく開いた口が”ふさがらない。でも、取るほうは多い方が良いに決まっているし、払う方は少ない程よいのだから、利害関係が相反している以上、自分の立場権利を最大限主張することは決して悪いことではないし、それを感情的に受け取ることが間違いと気が付いた。”大家は親同然、店子は子も同然”は日本だけのことかも知れない。

June 07, 2004

スペインの住宅・ピソ(河野兵部)

piso.jpg■土地の有効利用・ピソの住宅
スペインはこの数年空前の好景気が続いたが、その反動で住宅は高騰した。
マドリードは、特にひどく昨年1年間で住宅の取得価格は、17%増しとの事だ。これは、低金利と世界的な政情不安による株式市場の低迷でその資金が不動産投資に流用されたことが原因のようだが、ローンで家計が厳しくなった家庭が続出して、また、余りの高値に日本の例を挙げて暴落を警告する専門家もいるが、一向に下がる気配がない。

住宅と言っても、マドリードのような都会の中心地は一戸建ての建築は許されていない。建物と建物の壁がつながった所謂ピソ(piso)と呼ばれるもので、数個のピソが固まってひとつの区画になっている。これは中世の町は要塞都市で各家の外壁は防御壁の役割をしていたことから来ているのと思われるが、土地の有効利用には、とても効果的な造りで、東京もこのような造りにしたら、随分と土地が空くのではないかと思う。また、目抜き通りでも、1階2階は商店オフィースで、上の階は住宅だ。日本のように全フロアがオフィース専用ビルと言うのは、ごく限られた地区だけ。これは日祭日は完璧に店やオフィースが閉めることから、死の町にしないためらしい。

外側を囲っても、内側にはパテイオと呼ばれる空間があるので、内側の部屋も採光は可能だ。洗濯物は、美観保持のため外側に干すことは禁じられているので、大抵パテイオに綱を張って干している。大体マドリードは乾燥しているので、室内に干しても殆ど1日で乾いてしまうし、乾きにくいものだけを外に出し、冬は多くの建物がセトラル・ヒーテイングなので、ラジエーターの上に置いておけばすぐに乾く。

外側は、精々バルコニーに花を飾る位しかできないから、内装には結構凝っているところが多い。「スペイン人は内装に、建物の倍お金をかける」と言われるほどだが、来客があると最初に王宮の案内でもするかのように全室見せるのが習慣なので、見栄もあるのかもしれない。日本で浴室や寝室まで見せれる家庭は少ないのではないか。

piso5.jpg■掃除は家政婦に
かといって、家の掃除など自分ではしたがらず、若い共稼ぎ夫婦でも家政婦を雇うところが多い。たまたま、今朝の新聞で日本の新年金法の国会強行通過のニュースがあったが、「自分の家の掃除くらい自分で、、、。」と言うのは決して美徳ではなく、寧ろ、外国人移民に仕事を与え、老人化したスペイン社会に活気を与えている。さらに社会保険収入が大幅黒字の理由の一つとなっているのだ。「日本人は金持ちになっても貧乏人の仕事までを奪う」と言う説もうなずける気がする。彼らが求めているのは、同情や援助金ではなく仕事なのだ。

■北向きの部屋も人気
また、日本人は、南向きの日当たりの良い部屋を好むが、スペイン人は必ずしもそうではなさそうで、「家具がいたみやすい」とか言ってわざわざ北向きを好む人も多い。夏の日差しが強いこともその理由かもしれないが、日中はどの家庭も窓を締め切り、ブラインドを下ろし、部屋を真っ暗にしてしまう。湿度が低いために、このようにして外気を遮断してしまえば、真夏でも殆どクーラーもいらないほど涼しくしていられるし、暗かったらシエスタ(長い昼寝)をすればよいのだ。

June 02, 2004

サクサク。ほんのり香ばしい。パエリャは本場バレンシアで(河野兵部)

paella3.jpg
最近はブームだとかで、日本にもスペイン料理レストランが竹の子のように増えているようだが、どこのレストランでもパエリャは欠かせられないメニューに違いない。お米を使うということで、また格別日本人に親しみを感じることもあるだろう。

orenge1.jpg発祥地は地中海沿岸のバレンシアとされるが、現在はマドリードでも食べることができる。それなら本場の味をとバレンシアに行ってみると、地元では”パエリャ”と言う名前よりもアロス(Arroz お米)料理という言い方を好んで使って居るのに驚く。と言うのも、”パエリャ(Paella)”と言うのは、料理そのものの名というよりも、あの丸い平鍋のことを指すからである。

この命名には、ひとつの伝説がある。
バレンシアは、あのスペイン人同士が血で血を洗い合った悲惨な市民戦争時には、国際義勇軍の集結地であったが、ある日アメリカ人兵士の一人が村人自ら作ったお米料理をご馳走になり、その美味しさに感嘆の声を挙げながら、「これは何と言う料理か?」と尋ねたところ、元々貧しい農民または漁民の素朴な料理であったが為に料理名などあるわけはなく、鍋の名前を聞かれたのと勘違いして「パエリャ(という鍋)だよ」と答えたことに始まるのだそうだ。
真否のほどはともかく、そのよう光景を想像しながら食べるもまた楽しい。

バレンシアは、今期スペイン・サッカーリーグでべッカムを筆頭とするスター選手で固められたレアル・マドリードを4位に陥れ、優勝して名を上げたが、伝統的にはお米とオレンジの産地として知られている。広大なオレンジ畑の労働者たちは、つい最近までお昼に自宅に帰る無駄を省くために畑の中で自炊して食べる習慣があったのだそうだが、その時にしばしば作られれたのがこの料理だったようだ。現在でも多くの家庭でパエリャは男性が作ることが多いのはその名残なのだろう。

paella3.jpgある日本のガイドブックでパエリャは「豊富な海産物の入った炊き込み御飯」と言うような説明を読んだことがあるが、オーソドックスなバレンシア・パエリャには海産物など見当たらず、お米のほかは豆と鳥あるいは羊、兎等のガラ肉が入っているに過ぎない。これも、前述したように貧しい人々の食事だったのだから当然だろう。しかし、充分ダシ汁を取り、絶妙な調理法でつられたパエリャは、海産物など入っていなくてもこれだけでもとても美味しいものだ。

若干日本人に違和感を与えるのはお米が芯米気味な事であろう。これはわざわざお米に水を含ませないように、水洗いもせずに調理し、過度に蒸されないように平鍋でふたもしないことによるが、食べなれるとその歯ざわりがさくさくと快感を感じるほどで、また、焼きおにぎりのように香ばしい。実際、お焦げを「ソコラッ」と呼び最も美味しい部分としている。

日頃、いつもおこげを作ったリ芯米で姑さんにさんざん嫌味を言われている若奥様方には、寧ろ最も得意な分野になるに違いない。

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