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サン・イシドロ・デ・レオン(San Isidro de Leon)

ロマネスクの旅で、タンパン、柱頭彫刻、聖遺物入れ、またフレスコ画まで、1つの寺院でこれまで
1度に楽しめる所は、他には数少ない事でしょう。
ここはレオン旧市街を包んでいたローマの城壁の北東部に洗礼の聖ヨハネ(San Juan Bautista)を奉った
修道院の跡に、セヴィリアの司教であったサン・イシドロの聖遺体を安置する為、1063年にレオン王フェルナンドと妻のサンチャが建設したのがこの教会の始まりのようです。

仔羊の門



正門は仔羊の門(Puerta de Cordero)と呼ばれ、タンパン(Timpano門アーチの半円部分)上部に
”神の仔羊”が有る事からこのように呼ばれ、ナイフで今にも我が子を殺そうとするアブラハムや身代わりの
羊を差し出す天使等旧約聖書の”イサクの生け贄”の場面が生々しく表わされています。
アーチ両側にはサン・ペラーヨとサン・イシドロが門を守るように配置され上部には魚座に始まる黄道12宮が
描かれています。

免罪の門



もう一つの門は”免罪の門”(Puerta de Perdon)と呼ばれ両脇にサン・ペドロとサン・パブロが
守り、タンパン中央部にはキリストの”十字架降下”が刻まれ、左側は天使に押し上げられるように
天に昇るキリスト、右側は空の石棺を見て驚く3人のマリアなど、現代感覚ではユーモラスなタッチで描かれています。

宝物室を訪れて、最初に目に付くのはサン・イシドロの聖遺体(reliquia)が900年間安置されていた
木製の小箱でしょう。外側はアダムとイブの創造がレリーフされた銀泊で包まれ,内部はアラブ王の
マントの一部とされるタピストリーで飾られています。
何と言っても、ここでは”ウラカ女王の聖杯”(Caliz de Donya Urraca)を見逃す訳には行きません。
ローマ時代のめのうで造られた杯に様々な宝石を金細工で固定したものです。

王の霊廟



ここの極め付きは王の霊廟(Panteon de Reyes)です。
天井一杯に色鮮やかに描かれた聖書の場面を眺めていると、地上に居るのを忘れさせます。
入って最初の天井には”幼児虐殺”、右側は”牧童へのお告げ”、中央部にはキリストによる
”最後の晩餐”その右側は福音書(Evangelio)を綴った4人の聖人ヨハネ(Juan)、マルコ(Marco)、
マタイ(Mateo)、ルカ(Lucas)に囲まれた祝福を与えるキリスト、突き当たりはキリストの昇天
一番奥は黙示録の7つの教会が描かれています。

幼児虐殺 最後の晩餐 12ヶ月の労働


また、アーチの下側に描かれた12ヶ月の労働の図は当時の人々の生活ぶりが偲ばれ興味深いものです。

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