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悲恋シリーズ第2話


テルエルの恋人達

洋の東西を問わず、身分,階層、信仰の違いに依る悲恋は数え切れないほど有るのだろう。
テルエルの恋人達、デイエゴ・デ・マルシージャとイサベル・デ・セグラもその1つだ。

13世紀の初めアラゴンのテルエルの町に、デイエゴとイサベルと言う恋人達が居りました。二人は幼なじみで、将来を誓い合う仲でしたが、イサベルの父親はデイエゴが貧しい家庭の次男棒でアラブの血を引くのを嫌って交際を禁じますが、優しいイサベルの母親の計らいで、こっそり逢い引きを続けておりました。

デイエゴはこの秘密の交際に耐え切れず、イサベルとの結婚を申し出ますが、父親は「とんでもない」と怒り狂って追い返し、それを聞いてイサベルは悲嘆に暮れ一室に閉じこもり泣き明かしたそうです。 彼女の健康を心配した母親は夫を説得しますが、全く聞きいれないのを見て、父親と友人関係に有ったアルバラシンの豪族に相談したところ、この話を盗み聞いた彼の弟は、元々イサベルに横恋慕しており、これは良い機会だとばかり、イサベルの父親の所に出かけてイサベルに結婚を申し込み同時にデイエゴに難題を持ち掛け追い払うように吹きかけます。

父親は当時の権力者の弟の申し込みに大喜びして、デイエゴには5年の期限を付けて、法外な結納金を請求してあきらめさせようとして、デイエゴも無理難題に嘆くのですが、時にカステリア王がイスラム討伐に出ている話を聞き参戦することに決めたのです。

キリスト教徒の国土回復戦争(レコンキスタ)は800年に渡る宗教戦争とされて居りますが、実際はそんな信念に燃えての戦いと言うよりは権力争いに過ぎず、地域によってはキリスト教徒とイスラム教徒が互いに組んで共同の敵に対して、戦い合うことも多かったようで、ましては、当時の兵隊達は日本の戦国時代と同じように、この機会に出世や一獲千金を目指して略奪目当てに参戦していたようです。、

デイエゴは幸い莫大な戦利品をせしめて、テルエルに戻って来ますとイサベルは既に嫁いでおり、密かに彼女の部屋に忍び込み接吻を求めますが、喜びに溢れる気持ちを押さえ拒絶したところ、デイエゴは彼女が心変わりしたと勘違いして嘆き息絶えてしまいます。彼女は父親にしたがって、デイエゴの帰りを待たず結婚したことを後悔しながら、自分の罪に苦しみ、彼の葬儀に参列して、生前に果たさなかった接吻を冷たい唇にしたところ、彼女もその場で息絶えて仕舞ったそうです。

この出来事はアラゴンの人々に感銘を与え、イサベルの父親も後悔して、二人を一緒にサン・ペドロ寺院に葬り、以来ここはアラゴンの恋人達の巡礼地となって居ります。

サン・ペドロ寺院


デイエゴとイサベルの墓


テルエル
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Back MusicはFransisco Tarrega作曲”Adelita”