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ペドラサの悲劇

カステリア王国のペドラサと呼ばれる小さな村にヱルヴィラとロベルトと言う恋人達が居りましたが、或る日、城主で村の支配者で有った
サンチョ・リダウラはこの娘を見初めて自分の妻としました。
貧しいロベルトは村の有力者に対抗するすべも無く、悲嘆に暮れ、俗世界を捨てる決心をして、近くの修道院に入り神に仕えるように成りましたが、
一時もヱルヴィラの事を忘れることは出来ませんでした。
そうこうする内に、フェルナンド王がイスラム討伐の為南スペインに行くことに成り、サンチョ・リダウラもその一隊に加えられて出陣と同時に、城の
老司祭が亡くなり代わりにロベルトが派遣されることに成りました。 2人の愛の炎は忽ち再燃して激しく愛し合った為、すぐに噂は村中に広がって
サンチョの耳にも届いてしまったのです。彼は優秀な武将では有りましたが、嫉妬深く日夜残虐な復讐の方法を考えて過ごし、ついに戦争も終って
ペドラサに戻って来ることになりました。


ペドラサの城

膨大な戦利品を持ち帰り、主人の留守を守ったものにもそれを分け与える名目で村の有力者全員を城に呼び集め宴席を設けたのですが、
ロベルトとエルヴィラはサンチョの両脇に座らされ、2人は裏に隠された恐ろしい計画を察知して恐怖に震え上がっていた所、サンチョは
、突然立ち上がり、残忍な目を光らせながら、一同に向かって「ロベルト神父には、わしの留守中の為した功績に相応しい特別の賞を
与える」と言うと同時に2人の兵士が真っ赤に焼けた鉄の冠を持ってくるや、ロベルトの頭にかぶせたのです。エルビラは悲鳴を上げて
自分の部屋に逃げ込み懐剣で命を絶ったそうです。
ロベルトは苦しみにのたうち廻り、倒れた燭台の油がカーテンに燃え移り、城全体が焼け落ちてしまったそうです。

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